◇微生物限度試験の方法
クリタ分析センターでは第十八改正日本薬局方の一般試験法4.05微生物限度試験法に準じて生菌数試験および特定微生物試験を実施しています。
◇微生物限度試験のフロー
参考:厚生労働省 「日本薬局方」ホームページ 第十八改正日本薬局方
・生菌数試験
≪総好気性微生物数、総真菌数≫
事前に被験製品存在下での測定法の適合性試験を行い、適合性が示された方法で、試料原液を調製する必要があります。
測定対象 | 総好気性微生物数(TAMC) | |||
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総真菌数(TYMC) | ||||
測定方法 | メンブランフィルター法 | カンテン平板混釈法 | カンテン平板表面塗抹法 | 最確数(MPN)法 |
試料原液調製 | 試料10g/10mL+ペプトン食塩緩衝液(pH7.0)/リン酸緩衝液(pH7.2)/ ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・培地 90mL(通常は10倍希釈液を調製) |
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接種 | 試料10倍希釈液 10mLろ過 |
試料10倍希釈液 1mLずつ2枚混釈 |
試料10倍希釈液 0.1mLずつ2枚塗抹 |
3連続の10倍段階希釈系列を調製し、各々から1mLをソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地各3本に接種 |
培養条件 | 総好気性微生物数: ソイビーン・カゼイン・ダイジェストカンテン培地 30~35℃ 3~5日間 |
30~35℃ 3~5日間 |
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総真菌数: サブロー・ブドウ糖カンテン培地 20~25℃ 5~7日間 |
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結果及び判定 | 培地ごとに集落数を測定 | 培地ごとに集落数の算術平均をとり 生菌数を算出 |
培地ごとに集落数の算術平均をとり 生菌数を算出 |
増殖を認めた試験管数より1g又は1ml当たりの最確数を求める |
定量下限 | 1 CFU/g・mL | 10 CFU/g・mL | 100 CFU/g・mL | 3 MPN/g・mL |
・特定微生物試験
≪大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジア、カンジタ・アルビカンス、胆汁酸抵抗性グラム陰性菌、サルモネラ≫
事前に被験製品の存在下での試験法の適合性試験により、適合性が示された試験法にて実施する必要性があります。
測定対象 | 大腸菌 | 緑膿菌 | 黄色ブドウ球菌 | クロストリジア |
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試料原液調製 | 試料10g/10mL+ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地 90mL (通常は10倍希釈液を調製) |
試料原液(試料10倍希釈液)10mL2本分注 1本は80℃10分間加熱 1本は加熱しない |
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前培養 | 試料原液10mL(試料1g又は1mL相当量)を増菌培養 30~35℃ 18~24時間 |
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選択培養 |
①前培養液1mLをマッコンキー液体培地100mLに接種 ↓ ②培養液をマッコンキーカンテン培地に移植 |
前培養液をセトリミドカンテン培地に移植 |
前培養液をマンニット・食塩カンテン培地に移植 |
①各試料原液10mL(試料1g又は1mL相当量)を強化クロストリジア培地に接種 ↓ ②各培養液をコロンビアカンテン培地に移植し、 |
同定 | 発育集落を認めた場合は、同定試験により確認 | 発育集落を認めた場合は、同定試験により確認 | 黄色の帯に囲まれた黄色又は白色集落を認めた場合は、同定試験により確認 | カタラーゼ反応陰性の桿菌を認めた場合は、同定試験により確認 |
判定 | 集落が存在しない又は同定試験で陰性の場合、適合とする。 |
測定対象 | カンジダ・アルビカンス | 胆汁酸抵抗性グラム陰性菌 | サルモネラ | |
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試料原液調製 | 試料1g/1mL以上+サブロー・ブドウ糖液体培地100mL | 試料10g/10mL+ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地90mL | 試料10g/10mL+ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地90mL | |
前培養 | 30~35℃ 3~5日間 | 蘇生培養20~25℃ 2時間 | 30~35℃ 18~24時間 | |
選択培養 |
前培養液をサブロー・ブドウ糖カンテン培地に移植 30~35℃ 24~48時間 |
≪否定試験≫
①試料原液10mL(試料1g相当量)をモーゼル腸内細菌増菌ブイヨン培地に接種 ↓ ②培養液をバイオレット・レッド・胆汁酸・ブドウ糖カンテン培地に移植 |
≪定量試験≫
①試料原液1mL,0.1mL,0.01mL(試料0.1g,0.01g,0.001g相当量)をモーゼル腸内細菌増菌ブイヨンに接種 ↓ ②各培養液をバイオレット・レッド・胆汁酸・ブドウ糖カンテン培地に移植 |
①前培養液0.1mLをラパポート・バジリアジス・サルモネラ増菌液体培地10mLに接種 ↓ ②培養液をXLDカンテン培地に移植 |
同定 | 白色集落を認めた場合は同定試験により確認 | - | - | (中心部の黒点の有無に関わらず)赤色集落を認めた場合は、同定試験により確認 |
判定 | 定型集落が存在しない又は同定試験で陰性の場合、適合とする。 | 発育集落が認められない場合は適合とする | 発育集落が認められた場合は「陽性」とし、細菌の推定値を求める | 定型集落が存在しない又は同定試験で陰性の場合、適合とする。 |