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培養液分析(液肥分析)

水耕栽培施設向けに培養液(液肥)の分析を行っています。

培養液(液肥)とは、植物が成長する為に必要な栄養成分などの肥料を吸収しやすい状態に水へ溶解させたもので、水耕栽培(養液栽培)で使用されます。
水耕栽培における培養液(液肥)の管理は、pH値の調整と電気伝導度(EC)を指標にした濃度調整が一般的です。しかし、電気伝導度(EC)による培養液(液肥)の濃度管理では、植物の吸収による肥料成分の組成変化まではわかりません。定期的に培養液(液肥)中の個々の栄養成分濃度を分析し、適切な追肥により成分を調整する必要があります。クリタ分析センターでは、培養液(液肥)分析を始め、水耕栽培施設向け水質分析を実施しております。

培養液(液肥)の成分分析

納期:7営業日 試料量:200~500mL

栽培作物やその生育段階に適した肥料濃度に調整することで、安定生産につながります。
合理的な追肥により、肥料の無駄使いを省きます。
培養液(液肥)の主要成分、微量成分、その他生育阻害成分等の分析をご提供します。

培養液の成分分析項目一覧

測定項目 
窒素(N)硝酸性窒素(NO3N)ほう素(B)
リン(P)亜硝酸性窒素(NO2N)鉄(Fe)
カリウム(K)アンモニア性窒素(NH4N)銅(Cu)
カルシウム(Ca)硫酸イオン(SO42-亜鉛(Zn)
マグネシウム(Mg)マンガン(Mn)モリブデン(Mo)

主要肥料成分の報告書例

各種培養液の処方例をもとに、分析結果をグラフ化してご報告致します。

 培養液処方例(野菜試験場研究資料21号(昭和61.11)より、一部改)

表を表示
処方例成分濃度(me/ℓ)成育段階調整対象作物備考
NaPbKCaMg前期後期
園芸試験場標準16.04.08.08.04.0各種成育段階により、
濃度を調節して用い
られるのが普通である。
山崎処方 7.02.04.03.02.0100100トマト冬季は120~140%
10.03.07.03.02.0100100ナス同上
9.02.56.03.01.5100100ピーマン同上
13.03.06.07.04.010070キュウリ冬季は後期も100%
13.04.06.07.03.0100150メロン冬季は120~140%、
露地メロン型品種は、
70%~80%
5.01.53.02.01.0100150*イチゴ*開花期以後
6.01.54.02.01.0100100レタス 
8(9)2(5)4(2)4(2)2.0100100ミツバNH1~N1.7、SO2me/ℓ、
EC1.6dS/m
12.04.08.04.04.0100100シュンギクEC2.0dS.m、夏季70%
12.04.08.04.04.0100100ホウレンソウ 
9.06.07.02.02.0100100メネギ夏季は25%~100%、
冬季は40~130%
4.53.03.51.01.0100100クレソン 
7.01.55.02.050100*コカブ*根径2cm以上
神奈川園試処方10.04.06.010.04.0トマト 
千葉農試処方12.0*3.06.05.04.0イチゴ*NH1-N1me/ℓを含む、
促成栽培
12.0*6.06.02.02.0ネギ*NH1-N4me/ℓを含む、
周年栽培
大阪農技センター処方18.65.310.56.45.3ホウレンソウ 
千葉大処方13.3*4.08.04.02.0  サラダナ*NH1-N1.3me/ℓを含む
愛知農総試10.72.75.35.32.7ホウレンソウ 
志村(1985)8.02.04.04.02.0100200メロン噴霧耕

(注)注記のない限り a:No3 b:PO1-P

出展)養液栽培の新マニュアル(2002年7月社団法人日本施設園芸協会)

民間企業における培養液処方例

表を表示
メーカーおよび処方名成分濃度(me/ℓ)対象作物備考
NPKCaMg
大塚化学(粉体)A処方18.55.17.68.23.7ネギ、ミツバEC2.5~3.5dS/m
(以下単位省略)で使用
B処方16.43.98.07.84.0一般園試処方準拠
サラダナ処方18.65.010.46.42.9サラダナEC1.5~2.5で使用
ホウレンソウ処方17.54.410.28.23.0ホウレンソウpH6.0~7.0、
EC2.5~3.5で使用
イチゴ処方10.83.66.03.71.7イチゴEC0.6~1.5で使用
トマト処方(初期)11.23.26.74.52.1トマト3段開花まで、
EC1.2~1.6で使用
トマト処方(中後期)13.93.98.95.72.6トマト3段開花以降、
EC1.6~2.4で使用
バラ処方(冬用)10.23.34.25.01.5バラ10月中~5月中旬、
EC1.4~1.8で使用
バラ処方(夏用)10.22.94.75.71.4バラ5月中~10月中旬、
EC1.1~1.5で使用
ガーベラ処方(初年目)11.12.55.85.81.7ガーベラ定植初年度に
EC1.4~1.8で使用
ガーベラ処方(2年目)11.13.05.24.91.8ガーベラ定植2年目から
EC1.4~1.9で使用
片倉チッカリン(粉体)13.03.55.77.02.6キュウリ・メロン山崎処方準拠
7.02.43.93.01.8トマト 
5.01.82.92.01.3イチゴ 
9.03.76.03.02.7ピーマン 
6.02.43.92.01.8レタス 
12.04.97.94.03.6シュンギク 
10.04.37.03.03.2ナス 
7.03.05.02.02.2カブ 
多木化学(液肥)6.93.03.22.91.9トマト育苗期(仮植・発根後)50%
13.14.45.35.73.0キュウリ同上、収穫後80%
18.84.46.48.63.0メロン同上、定植・成熟期100%、
成熟後期50%
13.14.45.32.91.9シュンギク発根後50%、
本葉2~3枚以後100%
10.34.46.72.73.0ミツバ同上、同上
6.31.53.41.81.0レタス、コマツナ同上、本葉展開後100%
10.34.46.72.73.0クレソン発根後50%
9.73.05.62.72.0ピーマン育苗期(仮植・発根後)50%、
定植後100%
12.63.06.83.62.0ナス同上、同上
8.61.54.62.71.0コカブ発根後50%、定植後100%
(ハツカダイコンも同じ)
3.41.52.20.91.0イチゴ育苗開花初期100%、
開花後200%
グローダンNormal10.73.45.96.02.5一般ロックウール栽培用(欧州)
Strong17.93.49.79.03.3
Extra20.03.411.510.03.3

(注)詳細な処方については公開していない企業が多い

出展)養液栽培の新マニュアル(2002年7月社団法人日本施設園芸協会)

 原水の水質検査

納期:10営業日 試料量:200~500mL

培養液に使用する原水(特に地下水)の水質確認は重要です。原水の良否によって培養液の管理方法も変わります。

 養液栽培に使用する原水の各イオンの限界濃度(ppm)と適性ECとpHの範囲(千葉農試)

イオン限界濃度イオン限界濃度
NO3N60Fe10
P30Mn1
K80Zn1
Ca80B0.7
Mg40Na80
 Cl200
EC:0.3dS・m-1以下 pH:5~8

Mn、Zn、Bに関してはナールドワイク温室作物試験場の水質基準2で示されている上限濃度(RW栽培で数回のスラブ洗浄が必要)。

出展)養液栽培の新マニュアル(2002年7月社団法人日本施設園芸協会)

排液の水質検査

培養液の排液中に含まれる窒素等は、公共用水や地下水へ流入させないよう、環境負荷低減対策を講じる必要があります。排液または浄化処理を行った廃液を廃棄する場合には、その窒素濃度を確認して廃棄することが望ましいです。

GAPについて

農林水産省は食料・農業・農村基本法等においては、我が国が推進すべき農業及び関連産業のあり方を定めた基本理念が掲げられており、これらの基本理念の実現のためには、農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価による持続的な改善活動である農業生産工程管理(GAP)の取組を奨励することが有効としています。

各GAPの適合基準や取り組事項では、取り組例として分析を行うことで安全性を確保する記述があります。

その他肥料分析(液肥)の分析も承ります。