土壌診断(SOFIX)
有機農法で困っていませんか?土壌中の微生物量を知ることから始めませんか?
SOFIXは農薬や化学肥料を削減したエコ農法に活用可能な土壌肥沃度がわかる土壌診断技術です。
化学肥料・農薬を多用した従来農法の土壌は、残留農薬の影響などにより、微生物が棲みにくい環境となっており微生物の量が少ない傾向にあります。その状態で有機農法を開始しても、作物の生育に問題が発生しがちです。
クリタ分析センターでは、土壌中の総細菌数や、その活性状態など数値化した土壌診断から肥沃度を把握し、有機肥料を中心とした施肥設計を支援することで、微生物が好む環境を作り、微生物量を増やすことにより、有機農法の土作り、慣行農法で疲れた圃場や、荒廃農地・耕作放棄地の土壌の復活をお手伝いします。
ポット栽培による比較(小松菜)
ポット栽培による比較(シュンギク)
多くの農産物で実績がございますので、お問合せください。
SOFIXとは
SOFIX(ソフィックス)は土の良さを計る“物差し”で、土壌肥沃度指標(Soil Fertility Index)の略称です。
有機栽培をはじめとする物質循環型農業に望ましい土壌成分の量とバランスを数値化する診断指標であり、①植物生長に関する成分②物質循環に関する成分を測定します。立命館大学生命科学部久保幹教授らにより、農耕地土壌の診断技術として開発されました。
【特徴】
- 土壌中のDNAを抽出し、総細菌数を把握し、1gあたり2億個以上を目指して、土づくりをします。
- 土壌中の総細菌数と、その物質循環活性※を確認します。
- 土壌を特AからCまで9つのパターン判定し、課題を明確にします。
- 地域の有機資材を活用した物質循環型農法を提案します。
※物質循環活性:微生物により有機質肥料が分解され、農作物の主要肥料成分(窒素、リン酸、カリウム)が、適切な量とバランスで供給されること。(窒素循環活性、りん循環活性)
☆ポイント!
有機肥料は、微生物(菌)の働きによって有機物を分解することで、植物が吸収可能な栄養成分となります。
その分解速度が緩やかなため、追肥の頻度を減らせたり、雨などによる肥料成分の流出の影響が化学肥料と比べて少ないなどのメリットがあります。
微生物(菌)量も重要ですが、特に有機物を硝酸態窒素、りん酸態りんに分解する微生物(菌)の働きが重要となってきます。
SOFIXではその働きを窒素循環活性、りん循環活性として評価します。
土壌診断(分析を行い、その結果から土壌を9つのパターンに分類し判定します。)
総細菌数、全炭素(TC)、全窒素(TN)、窒素循環活性、リン循環活性、C/N比の6項目について、判定基準を畑、水田、樹園地のそれぞれについて設けています。土壌分析の結果からその判定基準に基づいて、畑は9パターン、水田・樹園地は8パターンに分類し、その評価を特A、A、B、Cの4段階でランキングしています。
パターンごとに、改善すべきポイントを明確にしています。
特A① | 良好な有機土壌環境 |
---|---|
A② | 基本的に良好な土壌であるが、有機物がやや蓄積方向でバランスが悪い |
A③ | 基本的に良好な土壌であるが、リン循環が適正でない |
A④ | 全炭素量(TC)、全窒素量(TN)は十分だが、物質循環活性が不適正 |
A⑤ | 全炭素量(TC)は十分だが、全窒素量(TN)が不足傾向 |
A⑥ | 総細菌数は十分だが、有機物が不足傾向 |
B⑦ | 総細菌が少なく、循環系が悪い傾向 |
B⑧ | 有機物量は十分だが、総細菌数が少ない傾向 |
C⑨ | 総細菌数が検出限界以下 |
良い土壌とされる基準
SOFIX診断における基準は、下記の6項目の値に設定しています。
栽培する農作物によって、よい土壌の基準が異なるため、5つに分類しています。
畑 | 水田 | 樹園地(果樹) | 樹園地(茶) | 芝草 | |
---|---|---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | ≧4.5 | ≧4.5 | ≧4.5 | ≧2.0 |
全炭素[TC](mg/kg) | ≧12,000 | ≧13,000 | 15,000~80,000 | 15,000~80,000 | ≧10,000 |
全窒素[TN](mg/kg) | ≧1,000 | 650~1,500 | ≧1,000 | ≧1,000 | ≧800 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | ≧15 | ≧25 | ≧25 | ≧15 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 20~60 | 30~80 | 30~80 | 15~80 |
C/N比 | 8~27 | 15~30 | 10~27 | 10~27 | 8~27 |
SOFIXでは、この基準値に合致すると良好な有機土壌環境と判定しています。
窒素循環活性評価値:土壌が持つ「窒素有機物を硝酸態窒素に変換する力」
リン循環活性評価値:土壌が持つ「リン有機化合物をリン酸に変換する力」
SOFIX技術による土壌改良のフロー
※1 C評価とは総細菌数の値が検出下限以下となったパターンで、主に農薬、土壌燻蒸、過度の化学肥料を用い、微生物の栄養源となる有機物量が少ない圃場に見られます。
※2 精密診断はC評価となった土壌において、微生物の復活が可能かを判断する試験となります。
(対象の土壌にミミズを入れ、生存率などを確認します。)
分析項目(土壌の分析)
土壌診断:SOFIX(土壌肥沃度指標)
土壌肥沃度指標(Soil Fertility Index;SOFIX)は化学性、生物性、物質循環、物理性に関する20項目について測定し、土壌の肥沃度を段階に分けて評価(パターン判定)します。
・施肥設計をご検討の場合は、初めに土壌診断をお願いします。なお、施肥設計は別途費用が発生致します。詳細は、「SOFIX技術による土壌改良のフロー」を参照ください。
評価内容 | 項目 |
---|---|
化学性 | 硝酸態窒素、アンモニア態窒素、交換性カリウム、可給態リン酸、EC、PH |
生物性 | 総細菌数、全窒素(TN)、全炭素(TC)、全リン(TP)、全カリウム(TK)、C/N比、C/P比 |
生物性(物質循環) | アンモニア酸化活性、亜硝酸酸化活性、窒素循環活性、リン循環活性 |
物理性 | 含水率、定常含水率、最大保水容量 |
パターン判定6項目分析
9つのパターン判定に使用する6項目のみを分析します。
・SOFIXの技術を用いた施肥設計の経過観察に有効です。
評価内容 | 項目 |
---|---|
生物性 | 総細菌数、全炭素量(TC)、全窒素量(TN)、C/N比 |
生物性(物質循環) | 窒素循環活性、リン循環活性 |
簡易テスト
SOFIXの重要なポイントでもある、窒素と炭素の量とバランス(CN)や微生物の量を確認する為の簡易テスト。
評価内容 | 項目 |
---|---|
3項目 | 全炭素量(TC)、全窒素量(TN)、総細菌数 |
1項目 | 総細菌数 |
分析項目(有機肥料の分析)
堆肥分析:MQI(堆肥品質指標) 牛糞堆肥、鶏糞堆肥、バーク堆肥などの発酵資材
堆肥品質指標(Manure Quality Index;MQI)11項目の測定を行い、その堆肥の成分の特徴を把握するとともに良質な堆肥かどうかの判断をします。
鶏糞堆肥、牛糞堆肥、バーク堆肥等で成分構成が異なる為、SOFIXの測定で得られた土壌のデータを基に施肥設計をする際に使用します。
評価内容 | 項目 |
---|---|
化学性 | 硝酸態窒素、アンモニア態窒素、交換性カリウム、可給態リン酸 |
生物性 | 総細菌数、全炭素量(TC)、全窒素量(TN)、全リン量(TP)、全カリウム(TK)、C/N比 |
物理性 | 含水率 |
未発酵資材:OQI(有機資材品質指標) 油かす、大豆かす、稲わら、魚粉などの未発酵資材
有機資材品質指標(Organic Material Quality Index;OQI)10項目の測定を行い、微生物の活性を上げるエサであり最終的に肥料となる有機資材(未発酵資材)の成分を把握し、MQI同様に施肥設計をする際に使用します。
評価内容 | 項目 |
---|---|
化学性 | 硝酸態窒素、アンモニア態窒素、交換性カリウム、可給態リン酸 |
生物性 | 全炭素量(TC)、全窒素量(TN)、全リン量(TP)、全カリウム(TK)、C/N比 |
物理性 | 含水率 |
土壌診断書例(SOFIX診断)
依頼方法(依頼書・土壌採取方法)
依頼書
土壌診断/土壌分析を依頼いただく場合は、依頼書に記入をお願い致します。
依頼書はコチラ
SOFIX・パターン判定 | 3項目分析・eDNA(総細菌数) | MQI・OQI |
入力頂きました依頼書を 下記宛にFAXをお願い致します。 受付後 営業担当よりご連絡させて頂きます。
クリタ分析センター株式会社 名古屋事業所
〒471-0847 愛知県豊田市千足町6丁目29番地2
TEL:0565-36-1666 FAX:0565-36-1667
土壌採取方法
SOFIX技術による土壌改良事例
「2023年8月以前の判定は最新の基準に基づいた判定に修正して表示しています」
① 農業生産法人に準ずる農地所有適格化法人 (所在地:三重県)
目的
大規模農地の土づくりの為に、試験開始。
土壌はトラクターが埋まるほどの水はけは悪く、SOFIX分析による評価では、微生物量はSOFIXの基準に合致するが他の項目は基準値を下回る、栄養不足な状態でA⑥判定。
現状把握(分析結果)
項目 | 基準値 | 試験開始時 |
---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 2.2 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 1,669 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 15 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 13 |
リン循環活性評価値(点) | 25~80 | 0 |
C/N比 | 8~27 | 114 |
判定 | ー | A⑥ |
土づくり
SOFIX農業推進機構の指導のもと、地域の未利用資源の活用として、
一次乾燥した牛糞堆肥、もみ殻、神社仏閣・山道に堆積した落ち葉を投入。
牛糞堆肥は2~3ヶ月に一回投入 2年は不栽培
結果
A③まで回復し、栽培を開始した。現在は特A①の評価となっている。
項目 | 基準値 | 試験開始時 2018年秋 | 2020年春 | 2022年春 |
---|---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 2.2 | 5.8 | 34.5 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 1,669 | 40,250 | 52,000 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 15 | 1,463 | 3,900 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 13 | 74 | 91 |
リン循環活性評価値(点) | 25~80 | 0 | 4 | 30 |
C/N比 | 8~27 | 114 | 28 | 13 |
判定 | ー | A⑥ | A③ | 特A① |
② 花き農家
目的
特定のハウスで立ち枯れ病が発生し、ほとんど花が育たない。収量増加、品質向上をしたい。
栽培品目
デルフィニウム
土壌
沖積土
施肥
化学肥料(硫酸カリウム、ケイ酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム)、堆肥(バーク堆肥)
農薬
クロロピクリン
現状把握(分析結果)
項目 | 基準値 | 試験開始時 |
---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 0.8 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 29,462 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 1,114 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 3 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 2 |
C/N比 | 8~27 | 26 |
判定 | ー | B⑧ |
所見
有機分は十分であるが、クロロピクリンの土壌消毒の影響により、総細菌数が少なく、立ち枯れ病の原因となる糸状菌が優位な状態にあると推測される。
総細菌数が少ないため、窒素循環活性評価値、リン循環活性評価値も低くなっていると推測される。
土づくり
ぼかし(コーヒー搾りかす)で肥料成分を供給。
バーク堆肥で窒素分補給・土壌の改善(物理性)
米ぬかでリン循環活性の改善
大豆かすで総細菌の増加
結果
秀品率が0%から90%に回復。 有機肥料に転換し、太陽熱消毒の検討により、肥料・農薬コストが1/3。
項目 | 基準値 | 試験開始時 2020年1月 | 試験開始時 2020年12月 |
---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 0.8 | 4.6 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 29,462 | 31,190 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 1,114 | 2,667 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 3 | 15 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 2 | 0 |
C/N比 | 8~27 | 26 | 12 |
判定 | ー | B⑧ | A④ |
③ ブロッコリー農家
地域有機資源の価値の創出、地域経済の活性化、脱酸素等に寄与する地域循環社会の実現を目的とした産官学のプロジェクトに参画
方針
農薬・化学肥料を減らした農法で品質や収量を確保したい。
勘や経験ではないデータに基づいた土づくりをしたい。
地域で循環型農業をしたい。
作物に付加価値を付けて販売したい。
目的
地域の外来生物(水草)を堆肥化の実証にてSOFIX技術が活用する。
現状把握(分析結果)
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 |
---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 0.8 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 13,000 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 960 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 6 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 16 |
C/N比 | 8~27 | 14 |
判定 | ー | B⑧ |
所見
全炭素量は十分だが、総細菌が少ない傾向
窒素循環活性とリン循環活性が低い
以上から、全窒素が少ないことから微生物のエサとなる成分が不足し、土壌燻蒸剤等の農薬が残留している可能性がある。
土づくり
地域で入手した水草をベースにもみ殻、米ぬかをブレンドした堆肥を作成し、施肥をした。
MQI(堆肥品質指標)を実施済
結果
総細菌数が改善し、全炭素量、全窒素量も基準を上回り、A④の評価となった。
pH、水はけ、ミネラルの過不足に課題があるので、引き続き改善を実施。
品質においては対象区と比べ実証区のブロッコリーの方が湯で時間も短く、塩味も入りやすかった。
道の駅にて対象区のブロッコリーより一割高く設定しても、対象区の倍以上の販売数。
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 | 施肥後 |
---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 0.8 | 9.0 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 13,000 | 16,000 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 960 | 1,800 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 6 | 20 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 16 | 16 |
C/N比 | 8~27 | 14 | 9 |
判定 | ー | B⑧ | A④ |
④ トマト農家(滋賀県)
目的
化学肥料を削減し、慣行農法と同等の収量を確保する。
栽培品目
トマト
土壌
森林褐色土
施肥
化学肥料
農薬
殺虫剤、殺菌剤を使用
現状把握(分析結果)
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 |
---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 5.9 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 35,320 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 3,302 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 51 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 0 |
C/N比 | 8~27 | 11 |
判定 | ー | A③ |
所見
基本的に良好な土壌だが、リン循環活性が不適切。
トマトの生育に最適なC/Nは20だが、11と低く、窒素過多となっている為、
生殖成長が悪くなる可能性がある。
リン循環活性が0な要因としてはカルシウム分が過剰となり、
リン酸と結合し、吸収を妨げている可能性がある。
土づくり
基肥として投入する化学肥料を削減する。
C/N比の改善として、窒素成分が少ない資材を入れ、段階的に高めて行く。
リン循環活性の改善としては、石灰などカルシウム分を含む資材の投入を控え、C/P比を8~20へ段階的に調整するために、リン酸の多い米ぬかを施肥する。
結果(実施初年度)
実証区と対象区で生育に差は見られなかったが、基肥の化学肥料を20%削減、
トータルの窒素使用量(化学肥料(基肥、追肥)+堆肥)は7%削減
実証区の方は果実糖度が向上した。
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 | 一年後 |
---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 5.9 | 4.0 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 35,320 | 38,880 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 3,302 | 2,547 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 51 | 27 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 0 | 5 |
C/N比 | 8~27 | 11 | 15 |
判定 | ー | A③ | A③ |
当面の方針
C/N比は改善されているが、引き続きトマトの生育に最適な20へ高めていく。
リン循環活性もまだ基準を下回っているが、改善された。
基肥の化学肥料は継続するも、追肥の化学肥料を削減していく。
⑤ トマト農家(青森県)
目的
サビダニ、うどんこ病などの被害が少しあるが、収量、品質ともに満足。
今後、農薬や化学肥料を出来るだけ減らしたエコ農業にチャレンジしたい。
栽培品目
ミニトマト(サマー千果) ハウス栽培
土壌
灰色低地土 元水田で水が抜けやすい土壌
施肥
化学肥料+有機肥料
農薬
殺菌剤(ダニコール1000)など
現状把握(分析結果)
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 |
---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 9.7 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 19,280 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 1,825 |
全リン量(mg/kg) | 1,000~8,000 | 960 |
全カリウム(mg/kg) | 1,500~12,000 | 7,206 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 23 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 28 |
C/N比 | 8~27 | 10.6 |
判定 | ー | A④ |
所見
総細菌数、全炭素量、全窒素量ともに基準を超えており良い傾向。
全リン量及び窒素循環活性値が基準値を下回っている。
C/N比がトマトの生育に最適な20に対し11と低く、窒素が過剰となっており、栄養成長(生育)には良いが、生殖成長(花をつける)が悪くなる可能性がある。
土づくり
有機物や肥料成分は十分であるが、C/N比が低い為、バーク堆肥や腐葉土などの炭素が多く窒素成分が少ない資材を入れ、C/N比を段階的に高めていく。
既にピートモスを施肥済みであった為、窒素比率を考慮し、牛糞堆肥、化学肥料の基肥を入れない。
追肥の化学肥料も出来る限り減らす。
結果
基肥を施用しないことにより、根の活着、生育に不安があったが、根の活着、生育ともに問題がなかった。
化学肥料の基肥を入れた従来との圃場と収量は変わらなかった。
当面の方針
牛糞堆肥等を使用して、減少した全窒素量、全リン量、全カリウム量を有機物で補う。
大豆かす、油かすなどの未発酵資材で総細菌数を増やす。
水が抜けやすい圃場なので、保水性を高めるために、今後も段階的に有機物を入れていく。
項目 | 基準値(畑) | 試験開始時 | 一年後 |
---|---|---|---|
総細菌数(億個/g) | ≧2.0 | 9.7 | 4.1 |
全炭素(mg/kg) | ≧12,000 | 19,280 | 12,540 |
全窒素(mg/kg) | ≧1,000 | 1,825 | 894 |
全リン量(mg/kg) | 1,000~8,000 | 960 | 861 |
全カリウム(mg/kg) | 1,500~12,000 | 7,206 | 1,320 |
窒素循環活性評価値(点) | ≧25 | 23 | 22 |
リン循環活性評価値(点) | 20~80 | 28 | 27 |
C/N比 | 8~27 | 10.6 | 14 |
判定 | ー | A④ | A⑤ |
効果
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